続・アイドルまっしぐら!!
「……あはは。そんなに警戒しなくても大丈夫。とって食おうなんて考えてないから。」
「……そんなに分かりやすかったですか?」
「うん。殺気がすごかった。」
栗原奏太はそう言って笑った。
「僕たちの事務所の中にある喫茶店に行こうか。そこならゆっくり話ができる。」
「……あの、私のところに来たってことは、りょうくん……良介に関してのお話ですよね?」
「りょうくんって呼んでていいよ。かわいいし。……うん。そうなるね。」
栗原奏太がそう答えてから、私たちは事務所に着くまでしゃべらなかった。
何をしゃべっていいか分からなかったし、何か見つけてしゃべっても、
私の心の中に芽生え始めた不安を、大きくするだけだと思った。