神様、恋をください。

梅雨の訪れ

        

       ~6月~

もう少しで、付き合って1ヶ月になる。

でも...

「杏ちゃーん!!」

そう。

この人。

問題は・・・。

実はまだ言ってない

華恋に付き合ってるって__。

2人で相談した結果、

華恋に言うと面倒だ、ということに気がつき。


今日は華恋に言う日って訳。

慶仁に会うのは久し振り。

最近サッカーが忙しくて

病院に来れなかったんだって。

「杏。よっ元気だったか??」

後ろから慶仁の声がした。

『慶仁!!!』

私は、慶仁に抱きついた。

『久し振り。』

「だな。会いたかった。」

病院の廊下で抱き合ってる2人は

ちょっと場違い...

『華恋に話す覚悟は?』

「ある!!」

その言葉は私にとって何よりも

“別れ”というものを遠く

感じさせてくれた。



ガラガラ____

「杏ちゃーん!!お兄ちゃん!!」

「おう!元気か?」

何か、さっきの心強い慶仁と

違う...。

私は小声で、

『慶仁、大丈夫?』

と言った。

慶仁は少し苦笑いをした。




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