神様、恋をください。
病院
今日も桜が太陽に照らされている。
私も太陽に照らされている。
「おっはよーーー!!!!杏??聞いてる??」
『おはよ、華恋。今日も春の日差しが_______』
「つか、そんなのどーでもいいから!!早く!!」
華恋は勢いよく廊下を走っていった。
今日も退屈な一日が始まろうとしていた。
入院先 三井田総合病院。
入院歴 5年
病名 心臓の病気 詳しくは知らない
親 父親、血縁上関係のない母親。
昔からずっと思ってる
”神様なんていない”
私は神様から見捨てられた、所詮可哀想な女の子。
親にも見捨てられて、病気にもなり、ついでに・・・
学校にも行けない。
何この人生??生まれてきた意味あんの??
何のために私はこの世に生きてるの??
そう思うことばかりだった。
この頃は思春期。
普通の女子中学生だったら、
“恋”とかどうのこうのに悩む年頃。
私はそんなの関係ない。
だって恋なんてしたこともないし、興味もない。
「杏ちゃん??何ボーーッとしてんの?」
『考え事。』
「試合始まるよ!」
病院の目の前のグラウンド
私と同い年のサッカー少年が今日も試合をしている
これはまだあなたに出会う前のこと。