神様、恋をください。


病院に戻った。

「杏ちゃん!!!」

『ただいま。迷惑かけてごめんね。』

私、皆にこんなに心配かけてたんだ



華恋はいつも私に付きまとって

空気が読めない奴。

とか思ってたけど、

本当は誰よりも私を心配してくれてる。



菖が私のところに来た。

『痛ッッッ!!!!!!』

菖に頬を叩かれた

菖は私をぶったのに、

怒ってるって顔より泣きそうだった。

『あや、め...??』

「馬鹿!!!杏樹...あんたが死んだらどうすんの!!!杏樹がいなくなったら...」

菖は声にならないくらい泣いてた。

ざわつく病室。

外はいつもと同じ景色。



私もいつしか泣いていた。

『死なないよ...意地でも生きてやる。』

死にたくないって思った。



菖は私を抱き寄せた。

「辛い時はすぐにでも言って。言ったでしょ??ぅちと杏樹は同じ立場なんだから。」


温かかった。

菖の腕は温かかった。


隣のベッドの小林さんが私たちを見て微笑んでいた。



もう、慶仁は来ないかもしれない

もう、会えないかもしれない。


もう、二度と_____。



私はグラウンドを見た


グラウンドは雨でぐちゃぐちゃだった。





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