神様、恋をください。
少々浮かれ気分で電話に出た。
『慶仁!!おはよ!!』
私のテンションの高さに慶仁は呆れているようだった。
「お、おはよ。元気にやってんだな。」
『うん!』
「へ~、俺がいなくても平気なんだぁ。」
『...ち、ちがうよ。さ、寂しいもん。』
「...な~んてな。よかった、お母さんと上手くやってるみたいだな!」
『うん。ありがとね。』
「俺は別になんもしてないし。」
『慶仁がお母さんと話してみないと分からないみたいなこと言ってくれたから。』
「まぁな。あ、そうそう俺が電話したのは、海のこと。」
少し私は嫌な予感がした。
まさか...来れなくなったとか...
『まさか...無理になったの?』
「ちげぇよ。俺は、約束は守るし。行くって言ったら行く!!」
『よかった。じゃ、何?』
「集合場所。菖、教えなかっただろ?」
『あぁ、そういえば』
「もぉ、手間のかかる奴。菖が、杏樹が慶仁のこと心配してるからかけてあげてって。」
『あ、それは...』
「俺の事、心配?」
『...ぅん。当たり前。』
「大丈夫。前みたいにはならないから。」
『うん。』
「そんでさ、海の集合場所、現地集合だって。どこの海か聞いた?」
『うん。』
「...そこまで、一緒に行かねぇ?」
『本当?電車?』
「yes!〇〇駅でいい?」
『うん!!なんか、初デートみたいだね。』
「馬鹿!初デートだよ。じゃあな。」
ブチッ。
初デート??
そっか、私たち、まだデートしたことないんだ。