神様、恋をください。


「杏樹ちゃん。何か明日必要なものある?私買ってくるけど?」

え??

お母さん、出かけちゃうの?私、父と2人きり??

『お母さん、どっか行くの?』

「うんスーパーに。」

『うちも行っていい??』

「いいわよ。」

一安心。

私は、父から逃げた。


着いたのは近所にあるスーパー

小学校の友達とかに会えるかもなんていう期待をしてた私。

その期待は...

「よぉ!!杏じゃね??」

やっぱり。

目の前にいたのは、幼馴染“陽広”

今年に入って、グラウンドで話したっきり、会ってない。

「お知り合い?じゃあ、買ったら入り口に行くから、思う存分話してなさい。」

お母さんは私があまりにも楽しそうだったから

気を使ってくれた。



「退院したのか?」

『ううん。違う。外出許可週間』

「へ~。1週間家にいんのか?」

『うん!!!』

「何か、すっげー前に戻った気分だな。」

『ね。よくここのスーパーの駐車場で遊んだよね。』

「な!!覚えてる!!杏が、こけて膝から血がダラダラでてビックリしたし!」

『あれは、陽広が押したからじゃん!!』

「はぁ?何のことですかぁ??」

『もぉ、馬鹿!!痛かったんだから!!』

「ごめんごめん。...あのさ、聞きたいことがあるんだけど...」

いきなり陽広が暗くなった。

『何?いきなり暗くなって。』

「お前、付き合ってんの?」

『何いきなり。』

「...慶仁と」

何でそんなこと聞くのか不思議に思った

『...うん。何で?』

「そっか。あいつから聞いたんだ。」

『慶仁が?』

「おう。お前の幼馴染と付き合ってるって言われた。」

『何で、慶仁、うちと陽広が幼馴染って知ってるの?』

「俺が言った。」


この暗さから、私は陽広が何かを隠してると思った。





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