神様、恋をください。
きっと、あの時、
陽広から無理やりにでも隠していることを聞いてたら、
きっと、あんなすれ違いはなかったと思う。
でもまだこの時の私は鈍感で、
慶仁の苦労など気づいていなかった。
「まぁ、いいや。またな!今度の試合来いよ!」
『うん。じゃあね。』
短かったけど、沢山話せた。
幼馴染で会っているのは、陽広だけ。
皆、引っ越してて文通になっている。
「杏樹ちゃん。もういい?」
お母さんがちょうどスーパーから出てきた。
『ごめん。もしかして、ずっと待ってた?』
「まあね。」
お母さんは微妙な笑みを浮かべながら言った。
「杏樹ちゃん。携帯とか、欲しくないの?」
いきなりの質問。
そりゃ、欲しいけど...
『ううん。大丈夫!』
「嘘でしょ?皆と連絡取れなくて不便そうだからさ。」
『不便だけど...高いじゃん?』
「何!?お金の事気にしてたの??心配ないわ。杏樹ちゃんの為ならなんだって買うわよ。」
『でも...』
「いいの。じゃ、買いに行こう!!」
え??
マジ??
優しすぎるよ。お母さん!!
携帯、今の時代だと何万もするのに。
ってことで私とお母さんは携帯を買いに行った。
念願の携帯!!