神様、恋をください。
病室にもどった

そこには母がいた

「杏ちゃん。着替え持ってきたわよ」

別にこの第二の母が嫌いな訳じゃない

前の母が許せないんだ

私は親を信じない

ずっとそう考えている

『あっそ。そこ置いといて。置いたらさっさと帰って。私あんたに用ないから』


自分でも思う

私、なんで素直になれないんだ、と...



母は悲しそうな顔をして

「じゃあね。」

一言言って帰った。


父が廊下に居るらしかった

父は私が怖くて会えないらしい

そんな弱弱しい父なんていらない

いっそのこと消えてほしいって思った。


「杏ねぇちゃん★よっ!!!」

『菖!!!!何でここにいんの??』

山本菖(やまもとあやめ)

元同じ病室...だった

「杏ねぇ、今日からまた...」

戻ってきたんだ

退院したはずなのに_

菖の悲しさはすぐに伝わった

『菖、泣きな。』

「ぅん、。...ゎ、たし__」


_癌が再発した。

菖はそう言った

この苦しみは私たちにしかわからない深い感情だった


「杏ねぇ。私、彼が居たの。」

私は白石杏樹相談教室を開いた





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