神様、恋をください。

ガチャ

玄関のドアが開く音がした。


『お、母さん??』

私はお母さんが帰ってきたと思った。

一安心した

お腹の血はどんどん出てくる

痛いけど力を降り絞ってリビングへ向かった。そこにいたのは_____


「杏??...!!!!!どうしたんだよその血は!!!」

父だった。

もう、私の中では憎いとかどうでもよくなってた。

この時はそんなことも考えずにただ、“死にたくない”って思ったんだ。


『た、助け...て...』

言葉にならない声。

痛いのより、私は恐怖に満ち溢れてた。

「待ってろ!!父さんが病院まで送るからな!!」

父はすぐに車を出してきてくれて、

痛みに苦しむ私に力強い言葉を言いながら運転した。


“しっかりしろよ”“もう少しだからな”“お前が死んだら父さん__”


思考が停止していく中、ふと思った。

きっと、父さんは、アイツと離婚して正解だった。

私のために離婚したんだ、と___。

今まで父を恨んでた自分が馬鹿に思えた。



「杏!聞こえる??」

眼を覚ますとお姉ちゃんの声。

『お、姉ちゃん...?』

上には前見ていた景色と同じ色の天井。

「杏、心配したよ。」

私が意識を取り戻したのを見て安心して笑顔のお姉ちゃん。

時計を見た。


PM5:00_____


『お姉ちゃん、私、いつまで...』

「あと3日は必要かな。」
< 53 / 71 >

この作品をシェア

pagetop