神様、恋をください。
海~kakeochi
でも、明日は...
とっても楽しみにしてた海。
なのに私は___。
「杏樹ちゃん、今日の夜、お母さんそばにいるわ。その方が安心でしょ?」
『大丈夫。一人慣れてるから。お母さんも家に帰ってお父さんと話し合ったほうがいいと思うよ。』
本当の理由はそんなんじゃなかった。
でも本当の事を言ったら____
『ほら、行きな、ね!!!』
「あ、はい。わかった。明日また来るわね。」
私はお母さんを病室から押し出した。
病室には、小林さんと私と、小さな女の子、たった3人。
私は退屈でもう寝ようと思った。
その時、携帯がなった。
出ようと思ったけど、ここは病院。
病院内での携帯の使用は禁止されている。
「白石さん。出ていいわよ。内緒にしとくから。大事な人からじゃないの?」
小林さんの久し振りの声。
携帯のディスプレイを見た。
“慶仁”
『すみません。』
私は、小林さんと小さな少女に一言いって、電話に出た。
『もしもし。』
「杏!!!大丈夫か??」
『うん。TV見た?よね...』
「おう。心配した。」
『重傷って書いてあったけどそうでもないし。』
「そっか。明日は残念だったな。」
『うん。慶仁は行くでしょ?』
「俺はお前が行かねぇんだったら行かない。」
『ねぇ、お願いがあるの。』
「何??」
“私を迎えに来て”
私はそう言いたかった。
『...』
「どうした??大丈夫か?」
『私、海に行く。だから迎えに来て』