神様、恋をください。
『慶仁...会いたかった...』
「俺も。」
私たちは抱き合って、久し振りの再会を喜んだ。
「大丈夫か??」
『なんとかね。』
こうしてると、慶仁の心臓の音が聞こえる
『慶仁・・・もしかして走ってきた?』
「...おう。」
慶仁、きっと急いで私のところに来てくれたんだね。
『ごめんね___。』
「なんで謝まんだよ。俺は彼氏としての義務を果たしただけ。」
『義務?』
「お姫様を迎えに行くこと。」
慶仁が普段よりも男っぽく見えた。
「行こう!!」
『うん。』
私たちは夜の海に向かった。
pm11:00
こんな遅くに電車に乗るのは初めてだった。
「杏樹、コレ。」
慶仁が差し出したのは、
女の子がかぶりそうなキャップとサングラス。
『何??コレ??』
「変装道具。だって、TVで大沙汰になってるから、1人くらいはばれると思って。」
『心配してんの?』
「おう。」
『ありがと。遠慮なく使わせていただきますねぇ。』
心無い気遣い。
私はそんな慶仁が大好き。
でも私のせいで、慶仁も私もああなったんだ___
この海が私たちがまともに話した、
私たちが会った最後の思い出だった。