神様、恋をください。

『線香花火って私と似てるね。』

「そうか?」

『うん。線香花火は火がついてるのを生きてるって例えるでしょ。もう死ぬのが自分でも分かってる。』

「何いってんだよ。お前は___」

『いつか、皆より早く死ぬ。きっと。』

「杏樹は大丈夫だ。刺されても生きてるんだし。な?」

『うち、分かってる。自分の病気の事。でも皆私に言わないんだ。私自分で調べたの。そしたら・・・』

「もう、その話いいよ。無理してるだろ?俺に全部打ち明けようとしなくていいから。」

『...』

「辛そうにしてるお前の顔見てると俺も辛くなるんだよ。」

私は涙した。



線香花火を見つめた。

まだ火が灯ってる。

私は思った。

生きてる限り、十分の人生をおくろう、と__



気づくと私たちは浜辺で肩を並べて

寝ていた。私は眼を覚ましたけど、

まだ慶仁は起きていない。

慶仁の寝顔は可愛い。

普段見る、あのクールな顔とは違って

とっても童顔に見える。


私は、慶仁の手を握った。


『来年も来ようね。』


そっと、呟いた。

でもその夢が叶えられることはなかった




「杏樹!!もう少しだぞ!!」

慶仁の騒がしい声。

『なぁ~に??』

寝ぼけてる私。

「朝日!!!」



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