神様、恋をください。
『で、何話してたの?』

その言葉に慶仁は戸惑った。

『言えないこと?』

「...お前の事。」

『うち??』

「あいつ、転校して千葉、ここに住んでんだって。ゲーセンで会った時、私とやり直してって言われたんだ。で、俺は、俺には大切な奴がいるから無理だって話した。妊娠の説の事を謝って別れてきた。そんだけ」

『...もし私がいなかったら慶仁はやり直してたでしょ?私、邪魔だったね。』

「俺はいいんだ。別れて正解。杏樹に会えたから___」

『本当?私は、慶仁が元カノといるの楽しそうに見えて嫉妬した。』

「俺だって。杏樹が陽広と話してんの見ると嫉妬するよ。」

嫉妬____

「...どうかした?」

私は黙った

『...慶仁、駆け落ちして___』



急に私の頭の中に駆け巡る想い

慶仁は私のもの。

慶仁とずっと一緒にいたい。

全部私のわがまま。だけど、離れている間に慶仁の心も離れてる気がして怖かった。



「...本気?」

『うん、慶仁と離れたくないの。』

「俺もお前といたい」





私は15歳の夏、

駆け落ちをした。大好きな慶仁と__


私は15歳の夏、

大切で、大好きな人と別れを経験した





まだ、私の恋は始まったばかりだった。
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