神様、恋をください。


「杏!!!久しぶり!怪我、大丈夫なの!?」

『うん。まぁね。どうしても来たかったから…』

「どうしたの?」



言えない。病院から抜け出して来たなんて___

いつも菖に心配かけてるし、それに病院から抜け出したのは、もうニ度目



『何でもないよッ!』

「無理すんなよ。」

『無理なんてしてないって!!!』



慶仁は私に小声で言った。

きっと私が色んな事で悩んでることを分かってるんだ。



『ちょっとごめん。先みんなで海行ってて…』

「わかった〜ゆっくり行ってるねぇ〜」



ちょっと辛い

傷が痛みだしたんだ

菖にも慶仁にも菖の彼氏さんにも迷惑かけたくなかった。

でも、痛みは消えない



『ぅ…。ヤバイ。どうしよう』

もう歩く事さえ困難だった。

「馬鹿」

振り返れば慶仁

『ごめん。私なんかこんな所来ちゃいけないのにね』

「杏。海行くの止めるか?」

それが一番なのかもしれない




あの時、慶仁が言ったように帰っていれば、


罰はくだらなかったはず










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