こんな青春も悪くない!


「もう、雁太なんて嫌いだ。」

雁太にそう言うと、雁太は、泣きそうになっている。

ここでだめ押しをしておこう。

ちょっと腹黒いが、まあいいや。

「大っ嫌いだぁぁ!」

すると、雁太が

「おい、雅光、協力するぞ。」

と、言った。

「急にどうしたんや。」

まあ、雅光の気持ちは、分からなくはない。

断固反対していたやつが急に賛成したんだから。

「理由、聞きたいか。」

雁太は、何故か僕の方をチラッと見た。

嫌な予感がした。

「雅光、俺は、尚平を蓮さんにとられるのが怖かった。」

寒気がした。

「でも、今は違う。」

震えがとまらない。

「俺は愛している。
俺の愛は永遠だぁぁぁぁぁぁ!」

「僕にはその愛は重すぎる。」

ダッシュで部屋から出ようとする僕。

その行く手を阻んだのは雅光だった。

「楽しそうじゃないか。」

僕は命がけだ。

「仕方ないな。
協力してやる。」

「本当に?
ありがとう。」

「ああ、協力するよ。
その代わり、絶対勝てよ。」

涙が出てきた。

「うん。
でも、何をしたら勝てるかな。」

「そうだな。
明日から、お前は、バトルの時は、最初に行け。
それで実践で学べ。」

「うん。
ありがとう、ありがとう、雅光、雁太。」

僕は、本当にいい友達をもった。

「いいって、気にすんな。
それより、まずは、雁太から逃げることだな。」

「忘れてたぁ!
前言撤回、雁太はいい友達じやない~~。」

後ろから迫り来る、邪悪な気配。

そして、ダッシュで逃げる僕。

だが部屋を出る前に捕まり、羽交い締めにされた。

「誰か助けて。
僕には、こっち系の趣味はないんだぁ。
雅光ぅぅ。」

雅光は笑っている。

僕の叫び声が秀高中学校に響きわたった。

今日も、長い一日だった。

でも、秀高中学校に来てから、毎日が充実していた。

明日が楽しみだ。

胸に期待を踊らせ、今日を終えた。


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