こんな青春も悪くない!


僕の学力向上計画初日、全校生徒が体育館に呼び出された。

どうやら、お知らせがあるようだ。

全校生徒が集まり、校長が前に立ち、こう言った。

「我が校は、一週間後に遠足を行う。
皆はそのつもりで心構えしておくように。
それでは、遠足の説明を教頭先生、お願いします。」

なんだ。

この学校にも遠足はあるのか。

案外、他の中学校と変わらないじゃないか。

「我が校の遠足は、バスを使用しますが、乗車料金は、一人当たり\10000を徴収します。
払えない人は、走って、現地まで行ってください。
以上です。」

前言撤回、大撤回。

これは、やり過ぎではないのか。

辺りからも、批判の声が飛んでいる。

ザワザワとする体育館。

すると、校長が

「静かにしなさい。
意見がある者は手をあげなさい。」

と、言った。

「これはやり過ぎじゃないんですか。」

どこかからベストの質問が来た。

全校生徒の視線が校長に集まる。

「やり過ぎではありません。
お金をもっていない君たちが悪いんです。
悔しかったら、勉強しなさい。」

体育館が静まりかえった。

「解散。」

教頭の一声で皆、パラパラと体育館を出始めた。

ヤバイな。

今日から走る練習をしておこう。

その日、僕らは、順位を上げるため、41位と戦った。

第一回戦 41位 清寺明子 対 44位 海桐尚平

教科 社会

気がつけば、これが僕のデビュー戦だ。

絶対に勝ってやる。

第一問 キリスト教を漢字で書くと、なんという。

えっ…わからない。

「はい、八十教です。」

と、相手の清寺さん。

すげぇ、つーか 勝てないよ。

心が折れかけていた。
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