こんな青春も悪くない!
僕と雁太は、三人組のペアの表が貼り出されている、掲示板の前入部立っていた。
「ねぇ、雁太は何番なの。」
「っと。
俺は四十一番だ。
尚平は。」
「嘘だ。
嘘だ。
雁太と一緒だなんて。
お父さん、お母さん、お元気で。
多分、僕はここで力尽きるでしょう。」
「三年間よろしくな、尚平。
やっぱり俺たちは、運命の赤い糸で結ばれているんだな。」
隣で雁太がニコニコしている。
まさか、今の言葉は本心なのか。
「気持ちわるいこと言うな。
嬉しくないよ。」
隣で雁太はガックリと肩を落としている。
まっまさか。
「ごめん、雁太。
ちょっと言い過ぎた。」
「そうか。
尚平はツンデレキャラなのか。
そうか、そうか。」
………
なんか、誤解が生まれたようだ。
僕の人生が狂ってしまうような誤解が。
「尚平、はい。」
雁太がなにかを渡して来た。
これは、まさか…
「名札?」
「この名札に、名前と順位が写し出されるらしいよ。」
「なっ、なんだ。
要件はそれだけか。」
あの流れだと、なにやら怪しい物がくると思ったんだけど。
「俺は、大人の男には興味ないよ。」
ああ。
安心した…ってちょっとぉぉ!
なら、大人じゃない男はどうなるんだ。
「が、雁太、まさか…ショタなの。」
「ふっ、ばれちまったら仕方ねえ。」
「ズサァァァァァァ!」
「いやいや、嘘だから。そんな趣味ないから。」
どうしてだろう。
なんか心が痛い。
これが親友を失った気持ちか…。
「だから、違うって。」
「わかった、わかった。んじゃ、改まって三年間よろしく、雁太。」
「うん、よろしく。
こうして、硬い友情を確かめあった俺らは、抱き合い、キスを…」
「バイバイ、神岡くん。
また、来世あおうよ。」
僕は、神岡くんを放っておいて、歩き出した。
「ちょっと待って!
先のは嘘だから。
誰も、尚平の唇やわらかそう、とか、いい腹筋してる、とか考えてないから。」
なんでだろう。
すごく説得力がないように感じる。
まあ、馬鹿騒ぎも一段落つき、僕と雁太は部屋に向かった。