こんな青春も悪くない!
次の日の朝、裁判が行われた。
「雅光君、なんでこんなことをしたのかな。」
「尚平、落ち着けって。雅光もなにか訳があるんだろ。」
「よし、言い訳を聞いてやる。」
おもむろに雅光はしゃべりだした。
「だってさ、最初っから一位取ったって仕方ないやん。
それに面白くないやん。かの戦国時代だって、室町時代の下剋上が作り出したともいわれてるねんで。
だから、俺も下剋上がしたいなぁって。」
「それだけか。」
「はい。
以上です。」
「貴様の言い分は分かった。
でも、ここまでしなくてもよかったんじゃないのか。」
「貴様って。
言葉が汚いよ、尚平。
俺のかわいい尚平は、どこに行ったの。」
ああ、もう寝るのが怖くなった。
「まあ、終わったことは忘れよう。
さて、本題に入ろう。
これからどうやって生活する。」
「尚平、雁太、それくらい簡単じゃないか。
お金はちゃんと三等分して。」
「唸れ、僕のライトアーム。」
気がつくと雅光は宙を舞っていた。
「ワン、トゥー、スリー、フォー、じゃなくて、大丈夫か、雅光。」
雅光は意識がないらしく、ぐったりしている。
「早く、早く病院へ。
いや、保健室へ。」
慌てている雁太に、僕は優しく語りかける。
「雁太、ゴミはゴミ箱へ、でしょ。」
「そうだな。
でも、今日は、生ゴミの日じゃないってバカ。
雅光は、雅光は、
親ゆ…
友だ…
いや、知り合いだろ。」
「よっぽど雁太の方が酷いよ。」
しばらくして、雅光は目覚めた。
まあ、喧嘩も平和に、一件落着し、とうとう戦争が始まる。
それは、自分たちの生命をかけた勝負と言っても過言ではない。
秀高中学から遠く離れた所で、男は呟いた。
「フフフ。
これだ。
これが、私の求めていたものだ。」