いつか咲く花【企】


怖い……!
二人乗りなんてしたことないし…
揺れるし…!
二人乗りを楽しそうにしているカップルを見かけたりしていたけど…

楽しくないっっっ!!

「あ!せっかくだから遠回りっ!」

「え?!」

「捕まっててねー?」

「え、あ、きゃあっ!!!!」

そう言ってネコっ毛の彼は坂道を思いっきり下る。

「や!わ!いやー!」

「あはははーっ」

絶叫マシーンなんて乗ったこともないけど、こんな感じ?
怖くて目も開けられない。

「会長さん、会長さん!ほら、見て見てー!」

「何よ…!」

坂道を下り降り、楽しそうな声に目を開ける。

「わっ………。」

そこには色とりどりの花がたくさん咲いていた。

「綺麗でしょ?もう葉桜だけど、ホントはここも桜のトンネル。」

「……すごい。」

「ここ、俺のお気に入り!」

すごく楽しそうに話す彼。
さすが花屋さんだなぁ。

それにしてもすごく綺麗。

「あと少しで着くよー。」


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