いつか咲く花【企】
彼の笑いはいつまで経ってもやむ気配がない。
「………もうっ!笑い過ぎっ!」
ついに限界になった私が怒って見せると、茂音君は急に慌て始めた。
「…や、つい。ごめんって!!」
「知りません!」
「会長ー。許してー?」
慌ててるのに、ちょっとだけ甘えた声。
彼はホントにクルクル変わる。
そんな話をしながら歩いていると、いつのまにか家の前にいた。
「着いちゃった。」
ちょっと残念そうに言うと、茂音君はちょっといじめっ子みたいな笑顔。
「あれ、会長さん寂しいの?」
「全然!」
「ちぇっ。」
「だって同盟あるし。」
得意げに笑って見せると、茂音君もにっこり笑って頷く。
それからちょっと残念そうに別れを告げた。
「んじゃ………帰るね?」
「うん。」
「じゃ、また明日!」
そう言って、ヒョッと自転車に乗ってかけていく。
ネコっ毛が夕日にゆらゆら揺れてとても綺麗だった。