いつか咲く花【企】
それから数週間。
女の子の目が痛いながらも、時々茂音君と帰っていたバチが当たった。
「春野先輩。ちょっといいですか?」
体育館に向かう途中の廊下で、私より頭一個くらい小さな女の子に突然声をかけられた。
「あの、何か……。」
「いいから、ちょっと来て下さい。」
ネクタイを見ると茂音君と同じ緑色。
一人で来るところあたり勇ましい女の子だな…。
連れて行かれたのは屋上。
まるで漫画みたい…。
なんて呑気に構えていると、女の子はキッと私を睨む。
「先輩は茂音のなんなんですか?付き合ってるんですか?」
直球。
っていうかますます漫画みたい。
「……アネモネ仲間?」
「…は?」
私の答えに女の子が固まる。
でも、他に答えようがない。
そして、その答えは女の子の逆鱗に触れてしまった…。
「真面目に答えてください!!」