いつか咲く花【企】
芽
パラッ……
「え?」
女心と秋の空。
さっきまであんなに天気が良かった空は急に曇りはじめた。
そして、大粒の涙を零した。
「大変………。」
慌てて中に入ると、雨は勢いを増した。
「あんなに晴れてたのに…。」
まるで心の中を洗い流すような、優しいたくさんの雨が降り続ける。
空から地面にじんわり染みて行く雨を見ると、不思議と落ち着いていった。
そういえば…昔。
ちょうどこんな雨の日。
小学生の時に通っていた塾が嫌で逃げ出したことがあった。
逃げたした理由を塾で聞かれたから…
「なんでべんきょうするの?」
…と聞き返した。
そうしたら、たまたまその答えを聞いていた男の子が…
「ぼくはたくさんしりたいからべんきょうするの。じぶんのためにべんきょうするの。」
…と一生懸命話してくれた。