いつか咲く花【企】
いつもの帰り道。
二人並んで歩く道。
最近はなぜだか女の子達に過激なことも、睨まれることもなくなって。
普通に毎日二人で帰っている。
「ねぇ、茂音君、昨日ね、蕾が出来たの!それからね、お父さんがアネモネ見て笑ってたの。楽しそうだった!」
「そか、良かったね?」
「うん!あ、それからね!って…茂音君聞いてる?」
いつもより静かだな…と思って茂音君を見上げると彼は必死に笑いを堪えていた。
「……なっ?!笑ってる?!」
「……クッ。や、ごめ…会長さん今日はよく喋るなって……。」
「……!!だって…!」
「いやいや、可愛いけど。」
そう言って、茂音君は私の頭をクシャッとする。
「ちょっと…!!」
「可愛い可愛い。」
…ドキッ。
その笑顔の方が可愛いと思う……。
最近、こんなにドキドキするのはきっと私だけなんだろうな、って思うようになった。
この笑顔を独り占めしたいって思う。
だけど言えないんだよね…。