いつか咲く花【企】
「あ。会長さん、もうすぐテストあるでしょ?手、出して。」
「?」
言われたままに手を出すと、ポンッと可愛いストラップを渡された。
赤い紐にぶら下げられた透明の雫型の中には、赤い花びらが入っている。
「これ…?」
「ん?おまもり。」
「……ありがとう。」
「会長さんパニックっちゃいそうだからなー。」
「……なっ?!」
「ま、でも俺がそこにいるから。」
茂音君はまた悪戯っ子みたいな顔。
それが悔しいのに嬉しくて。
でも素直になれなくて。
だけど…いつか伝えたいな。
「じゃ、落ちたら茂音君のせいにするからね!責任取ってね!」
「え?!」
「決まり!」
「や、でも、会長さんなら大丈夫でしょ?」
「どうかなー?」
「会長さん意地悪だなぁ…せっかく俺の愛を…。」
「知りませんー。」
ずっとこうやって、二人で歩いて行けたらいいな。
彼の隣はそう思えた。