いつか咲く花【企】


「で?会長さん結局近くの大学にしたの?」

いつのまにか今日は私の卒業式。
式も終わって、最後だから…と、二人でのんびり、最初に出逢った屋上で空を見上げてる。
茂音君はまた気持ち良さそうに伸びてる。
やっぱりネコみたい。

「いいじゃない、別に。近い方が楽だし。」

ホントはね、傍に居たくて近くにしたの…
なんて教えてあげないけど。

「ふうん?まぁ、いいけど。で?アネモネは?」

「うん。二人にあげたよ。」

「喜んでた?」

「もちろん。だからね、今日は3人でご飯に行くの。両親の結婚記念日だしね。」

「そ?良かったね。」

「うん!」

きっと茂音君のおかげ。
なんて言えないけど。
私が諦めないで前に進めたのは、茂音君が居たからだと思う。

仲が悪かった両親も少しずつ育つアネモネを見て、昔を思い出したのか、だんだん会話が増えて。
二人の間に優しい空気が生まれた。


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