いつか咲く花【企】


「はぁ………。」

屋上で青い空を見上げながら、深い溜息をつく。

空は快晴なのに…心は晴れない。
どんより重たい雲が広がっているみたいな気持ちになる。

いつもそう、毎日が憂鬱。
だから学校へ来ても授業に出る気にならない。
幸い、生徒会長でもある¨優等生¨な私は簡単に授業を抜け出せるし、先生は何も疑わない。

最近はそれをイイコトにこうして屋上でボーッとしたりする。


「……生徒会長さん…?」

「………え?」

誰もいないはずの屋上から突然の声。
空耳…?

「生徒会長の春野涙花さんでしょ?」

その声とともに跳ね上がった茶色の髪がヒョコッと見えた。


< 5 / 51 >

この作品をシェア

pagetop