いつか咲く花【企】
けれど、彼の耳には届いていない。
「ふぅん…?要はサボりでしょ?俺もサボり。会長さんと同じ。」
彼はニコッと笑って、気持ち良さそうに伸びをする。
見ていてちょっと羨ましいくらい気持ち良さそう。
やっぱりネコ…?
「ってかさー、こんな空が青い日に、空の下にいないなんてもったいなくない?」
ネコっ毛の男の子はそう言って両手を思いっきり広げて笑う。
確かに今日は彼の話すように、飛び切りの快晴。
遠くに見える雲は気持ち良さそうに空に浮かんでいる。
だけど、そういう問題じゃないのよね…。
「確かにいいお天気だけど…ちゃんと授業は受けて置いた方がいいわ。」
なんて優等生面。
本音を言えば、一人の時間を邪魔されたくないだけなんだけど。
「…ふうん………解りましたーっ。会長さんの邪魔だしね?戻りまーす。またね、会長さん。」
彼は何か察したのか、そう言ってまた笑うと、階段から降りて行った。