債務者ゲーム
彼女がこうなってからと言うもの、俺はショックでしばらくは何も手につかず、高校も休みがちになっていた。

俺は毎日動かない彼女に語りかけ、いつ彼女が治っても良いように食事も今まで通りに2人分作ることを欠かさなかった。

前にみたテレビ番組で、植物状態の恋人に毎日欠かさず語りかけて、急に意識を取り戻したと言う奇跡話があった。

いつか自分にもそのときが来るかと思い、俺は同じ様に彼女に出来ることをした。

しかし願い叶わず、それから6年が過ぎた今も彼女は動かなかった。

その6年間で俺は22歳になり、この年に大学も卒業していた。

将来の夢もろくに決めずに大学に入り、だらだらと大学の4年間を過ごした俺には就職先が見つからず、フリーターの人生が待っていた。

言い訳に聞こえるだろうが、彼女のことで精神的にいっぱいいっぱいで、最早仕事なんかに気を回せなかったのだ。

それでもバイトの掛け持ちで、何とか月に手取り15万は稼いでいたが、こんな生活からか当然ストレスが溜まり、俺は借金してまでパチンコをしたり、欲しいものを次々と買い漁り、自分を見失っていた。

そして気づいたときには300万円の借金があった。
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop