もう一度『愛してる』と言って
プロローグ
「は?何言ってるの?」
かなり怒ってる。
それはそうだよね。
急なことだもん。
「ごめんね。でも、あたしもう無理なの」
「無理って何がだよ?!離れることか?!」
「うん…離れたら、絶対に信頼できなくなる」
だから、もうこの手を離して…
お願いだから分かって…
「納得いかねーよ!!俺、いつも言ってるじゃん!絶対離さないって!」
「そうだけど……ごめんね」
「…っ!なんで、いきなり…」
すごく辛そうな顔。
あたしの大好きなあの笑顔はもう見られない…
「本当にごめんねっ!」
「あ!おい!!」
隙を見て腕から離れて走った。
後ろからは大好きな声が聞こえるけど、もう振り返ることができない。
ごめんね。
今までありがとう。
ーーーー魁。