もう一度『愛してる』と言って
手を伸ばせば触れられる距離。
それなのに、今はすごく遠く感じる。
「あ、戻ってきた!」
体育館に戻るとみんなが心配して待っていた。
「大丈夫?」
「あぁ。そんなに酷くなかったし」
「それならよかった…」
「魁、まじでわりぃ!俺のコントロールミスで」
「大丈夫だって!」
魁はさっきのがウソみたいに明るくふるまった。
「千波」
「遥…」
「ちょっとこっちで話そうよ」
ドッジボールを少し抜けて体育館の端っこに2人で座った。