もう一度『愛してる』と言って




「魁っ!」




少し遠くから叫ぶと魁は振り向いた。




「ちー」




そして、振り向いて微笑みながらあたしの名前を呼ぶ。

急いで駆け寄ったら隣の人も振り返った。




「だれ?」

「友達」

「ふぅん」




隣の人は興味なさげにあたしのことをジロジロ見た。




「ちー、どうしたの?」

「魁のこと探してたの」

「なんかあった?」

「…まぁね?」




本当のことは言えないので曖昧に誤魔化しとく。




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