もう一度『愛してる』と言って




「あ、こういうのも無神経だよな?ごめん」

「ううん。大丈夫…」




しばらく立ったまま2人で夕日を見ていた。




「ねぇ、魁…」

「ん?」




沈黙を破ったのはあたしだった。




「ごめんね…」

「…何が?」

「いろいろと」




多分、魁は気づいてる。
でも分からないフリをしてた。

バレバレだよ…。




「ちーこそ無神経だから」

「じゃあ、これでおあいこね」




下から覗くように悪戯っぽく笑って見せる。






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