もう一度『愛してる』と言って


三弘の問に2人の声が重なった。




「んじゃ、帰るかー」

「あ、三弘、ケーキは?」

「これ」

「ケーキって何?」

「担任から雑用のご褒美に貰ったの♪」

「ずりぃー」

「魁にはあげねーよ!」




そんな話をしながら三人で帰った。

なんかこうしてると、あの頃に戻ったみたい。



あたしの隣に魁がいて三弘がいる。

もう戻って来るはずのなかった光景。


それでもまた一緒にいれて笑ってる。

夢みたいな現実。
でも夢じゃない。

それがすごく嬉しかった。

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