もう一度『愛してる』と言って
ムカシバナシ
それはまだ千波たちが中学一年生の頃だった。
『ねー、千波!須田魁くんと谷原三弘くんって知ってる?』
『え?あ…谷原くんなら…』
入学して2ヶ月。
そろそろ中学校生活にも慣れて来た頃、同学年や先輩の目立つ人が耳に入って来るようになった。
『あの2人、めっちゃカッコいいよね!いつも一緒にいるし!』
『あ…そうなんだ』
三弘は幼なじみだし、昔からよく家に遊びに行ったりしてた。
前にもママからおつかいを頼まれて三弘の家に行ったら、男の子が1人遊びに来てた。
かなり仲が良さそうだったし、多分その人が須田魁くんなんだろう。
『2人と話してみたいなー』
『うん。そうだね』