もう一度『愛してる』と言って


座ると同時に遥が話し掛けてきた。




「さっき須田くんたちと分かれた時」

「それがどうしたの?」




遥の言いたいコトがさっぱり分からない。

だから静かに遥の言葉を待つ。




「女子たちの視線全部須田くんと三弘くんにいってたよ」

「…そうなんだ」

「そうなんだって…気付いてなかったの?」

「…うん」




嘘。
本当は気付いてた。
気付いてないフリしてた。



魁たちがみんなに見られてるなんてすぐに分かったよ。

もともと三弘だけでもすごかったのに、噂のイケメン転校生が2人で一緒にいるんだもん。



そりゃあ女子はほっとかないよね。





< 82 / 157 >

この作品をシェア

pagetop