きみの声がきこえない
放課後のことだった。
いつもと変わらない放課後だったはずだった。
あたし、どうした?
耳鳴りがとまらない。
動機も激しい気がする。
風邪でもひいたかと思って、額を押さえたけど、ちっとも熱くない。
さっさと家に帰って寝ようと思って、
自転車で街を走り出した時だった。
―――何で?
何で私のこと、誰も分かってくれないの…?
え……?
思わずブレーキをぎゅっとかけて、周りを見渡した。
何?
今の声?