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きみの声がきこえない
54ページ
きみの声がきこえない
陽介――!
その時、教室に陽介が入ってきた。
そしてあたしの手を引っ張って、教室から連れ出した。
「何で?」
「呼んだろ?俺のこと」
「呼んだけど、でも…」
陽介はあたしの腕を掴んでいた手を離して、
あたしの手と取って、強く握った。
「また屋上行くか?」
「授業は?」
「サボり!」
あたしは黙って頷いた。
大きい手に引かれて、いっぱい頷いた。
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