きみの声がきこえない

ねぇ、

こんなにあたしのこと、あたしの気持ち、

理解してくれた人なんていたかな?


きっと陽介は、

お母さんよりも、お父さんよりも、秀くんよりも、

友里よりも、健よりも、誰よりも、


あたしのことを分かってくれてる。

あたしの痛みに気付いてくれる。



この気持ちは何だろう。


あたし、もしかして、陽介のこと……。



「ねぇ、陽介」

「んー?」

「あたし…」

「おっ!飛行船!」


はっとした。

陽介のこのわざとらしい感じ。


これは、わざと?

話を逸らされた?

はぐらされた?
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