きみの声がきこえない
そういうことだよ、じゃないよ。
あたしは目の前の木崎たちを前に、腹立たしさを覚えた。
でもぐっと堪えた。
陽介は意味もなく喧嘩を吹っかけたりするわけない。
意味もなく誰かを傷つけるなんて。
きっと声がきこえたんだ。
それで、何か事情があって
手を出してしまったに決まってる。
木崎たちはいつも陽介と楽しくつるんでるのに、何も分かってなかった。
陽介から手を出したって、普通に信じていた。
なんかやりきれない。
陽介のこと何も分かってないじゃん。
何も理解してないじゃん。
能力のことは知らないにしたって、何も分かってないよ。