きみの声がきこえない

「どう?普段あいつは」

「明るくて、お調子者で、ムードメーカーで、

だけど時々、寂しそうな顔を見せるというか。それに、無茶ばっかりするから、危なっかしくて」

「何か親しそうだね?」

「いや、そんな……」


ふふっと優香さんは笑った。


「あいつはいい奴だよ。姉のあたしが言うなって話なんだけどさ。家族も大事にするしね」


すると優香さんの表情に、少し寂し気な色がみえた。



「でもなんか出来すぎてるというか、本当は泣きたい時とか我慢してんだろうなって思うことがあるんだよね」

「そうなんですか」

「一番、そう思ったのはあの時かなぁ。

あいつ、中学三年の時、親友を事故で亡くしてるじゃない?」

「え……?」



親友――?

事故――?
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