きみの声がきこえない
秀くんとは、
カウンセラーになるために心理学を学んでいる大学院生だ。
あたしは、秀くんの家に、
二週間に一度ほど通っている。
なぜそんなことになったのかというと。
あたしが昔通っていたピアノ教室の先生が、お母さんと友達で、
あたしも混ぜてもらって先生の家でお茶をする機会があった。
その先生の息子さんが秀くんだった。
昔から、顔を合わせて挨拶することはあったけど、
ほとんど話したことはなかった。
秀くんは二階から下りてきて、美味しいコーヒーを淹れてくれた。
その後は、秀くんも混じって、
四人で色々と話をしたのがきっかけ。