あたしが見た世界
「……ま、いっか」


ニッと、子どものように無邪気に笑う隼人。

それから

「次は柚子から話があるって」

と、言った。











「……揚羽知ってるか?」


柚子が口を開いた。



その言葉にリュウ兄の眉がまたピクッと動く。







「……え?揚羽ってーーCHAINーーの?」


梨斗が不安そうに言う。





隼人は『すでに柚子から話を聞いた』ような感じで、顎に肘をついて聞いていた。







「…そうだ」


柚子が梨斗の問に答える。



「…で?それがどうかしましたか?」


宙が聞く。




「……昨日、散歩してたらバッタリ会った」



「「「えぇぇぇ!!!!?」」」

珍しく梨斗、慧、宙の声がハモる。





「……揚羽って誰だ?」


……揚羽はあたしだが、バレるのは勘弁してほしい。


あたしはとりあえず“揚羽”を知らないふりをしてみる。






「……あ、そうやなぁ。ナツらは知らんもんなぁ…

えぇか?よー聞ぃときぃよ?



ーーCHAINーーの揚羽っちゅーんはなぁ、



殺し屋やぁ。


しかも、世界レベルの」


慧はニィっと笑った。
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