あたしが見た世界
「う――ん...どっちがいいかなぁ?」




「.....俺が持ってきた方」









あたしは今、浴衣を着ている。






















--------バンッ

ドアが開く音がした。








「おはよー、あっ?ナツ!?」



「おはようさん」



「おはようございます」



「...ぉはよ....」















あ。
梨斗、慧、宙、朱雀だ。















「....何やっとん?」



朱雀があたしの姿を見てキョトンとしている。






「あ、そういや今日やったな!!」


慧が思い出したように手をポンと叩く。




「...何が?」



……何の日だ?





「ホラ、今日あれやんか。お披露目やん」




「あぁ、それか」







「それでナツの服なんだけど....ゴスロリと浴衣どっちがいいかなぁ?」



「イヤ、それよりも皆コレでええやん」



慧が浴衣を着ているあたしを指して言った。



「え...!!?コレ、女もんのじゃん!!?女装すんの!??」



「あほか!!!なんで俺らが女もんの浴衣着んといけんのんや!!?俺ら男で?!少しは考えぃ!!」



「だけど...「『だけど』やない!!ホンマによう考えぃ!!浴衣ってゆーたら、俺らの正装やん!!」



「あ、そっか」



あっさり納得する隼人。



「もー、しっかりしぃや.....」








「朱雀.....なんか俺、いっつも隼人が敵に誘拐されるのが分かった気がする....」



「だから言ったじゃろ?梨斗?」
















....は!?



浴衣が正装?









それより、隼人。




お前、よく誘拐されてたのか....。
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