あたしが見た世界

 【隼人】


「いい加減にしろッ!!!既に断ると言った筈だ!!」



----ガシャンッ






ナツがとうとうキレて俺を廊下の壁に押し付ける。








........なぁ、ナツ。

お前、ほんとに女なのか?

俺を壁に押し付けている力は女が出しているとは信じられないぐらいに強い。











それに

.........俺らが誘ってんのに見向きもしない兄妹。

俺らを軽蔑する目をしない編入生。

そして、


とてつもなく冷たい瞳をしているシュン。

とてつもなく暗い瞳をしてんるナツ。









俺はソレが気になるんだよ。











「でも、俺は『今日は』って言ったんだよ?」

俺は確かめるように言う。

「しつこい!!」


ナツはパッと俺の胸ぐらをはなす。











ナツは今までに見せてきた顔とは違う、少し眉間にシワをよせて悲しそうな顔をした。


そして、俺をしっかりと見る。








「もう、あたしらに関わらないでくれ.....」





ナツは今にも消えそうな声で言った。
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