あたしが見た世界
「……ナツ?」


隼人がパチンと、
あたしの鼻先で指を鳴らす。







それで、あたしは我にかえる。



えっと、

何話してたんだっけ……。







「はい!俺、流輝。リュウキね」

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「シュン兄ッ!?」


あたしは誰にも聞こえないように言う。


「ん?」

「本当の名前言った!なんで!?」


あたしは久しぶりにパニックになった。






それなのに
シュン兄はのんきに答える。



「…んー?



なんとなく?」



シュン兄はアハアハ笑った。









………そっか。











シュン兄はちゃんと覚てるんだ。










だったら、
あたしぐらいか。


自分の名前を忘れ、捨てるヤツは。


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