ご主人様に首ったけ!
なんとなく腰が引けてしまい、ためらったのに霧様はそれに構わず私を手招きする。


そう命令されては逆らうこともできず、私は誘われるままゆっくり進み霧様の隣に腰を下ろした。


実際に隣に座ると、さっきよりもさらに心臓がドキドキしてきて……。
体を縮こませながら、下を向き続けた。


うぅ~、緊張するっ。


「あはは、露、そんなに緊張しなくていいんだよ」

「あの、でも……」

「んー……。
じゃあ、そこに横になってみて?」

「え……?あの……」

「いいから。ね?」


緊張の解けない私に、霧様はその場に横になるようにおっしゃったのだけれど……。


今この状況で横たわれということですか!?

なぜ!?

霧様のそのお言葉にすごく戸惑ったけれど、かわいく首を傾げられてしまうと逆らうなんて出来なくて、私は素直にその場に横たわった。


< 113 / 374 >

この作品をシェア

pagetop