ご主人様に首ったけ!
「それに、メイドになったらどう?って言ったのは、綺ちゃんだよ」

「えぇ~!?」

「いいじゃない、全く知らない人ばかりのところで働くより、ママがいた方が気兼ねしなくていいでしょ?」



確かに?

全く知らない人の仲に放り込まれるのは居たたまれないけど……。

でも、だからと言って、中学を卒業してすぐに、しかも高校も行かずに働けって……いいの?
そんなんで!?



「とにかく、明日はちょうど日曜日でお休みだし。東條の家に行くよ?いいね、露ちゃん」

「うっ」


いつになく真剣な顔つきで言われて、私はもう拒絶の言葉なんか出せるはずもなく……。


「うん……」


と、頷くしかなかった。


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