ご主人様に首ったけ!
霧様のそのいやらしく動く手つきに、私の頭はボーっとしてくる。


「どうなの?露」


ボタンに手を掛けたまま再度問われ、浮遊する意識の中私は小さく呟いた。


「……す」

「ん?なに?」

「……ちが、ます……」

「なにが違うの?」

「わ、たしは……っ」


霧様に、誤解されたくなくて……。


「私が、お慕いしているのは……っ」


霧様を不快にさせたくなくて……。


私は本当のことを口走りそうになってしまう。


「しているのは?」


先を促すように問われたところで、思考回路を取り戻し我に返る。


「……っ、言えません」

「どうして?」

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