ご主人様に首ったけ!
東條家の中は外見が立派なら、中も相当煌びやかで豪華だった。


天井はやたらと高いし、玄関にはシャンデリアみたいなのが飾られているし、その広さもハンパじゃない。


至るところに高そうな調度品が置かれていて、触るのはもちろん、見ているだけでも壊しそうで怖い。


どこもかしこもぴかぴかに光っていて、目移りしてしまう。


メイドさんの後を、きょろきょろと見回しながら長い廊下みたいなのを歩く。


「こちらでございます」


メイドさんが、両開きの扉の前で立ち止まると、軽くお辞儀をして私たちの前から姿を消した。


「ありがと~、優ちゃん」


綺ちゃんは、そのメイドさんに手を振りながら挨拶をすると、コンコン、と立派な扉をノックすると、中からどうぞという男の人の声がし、それに促されるように陸くんが扉を開けた。
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