ご主人様に首ったけ!
微笑みながら聞き返されて、それだけで私はときめいてしまう。

今から言う事、霧様はお許しくださるかしら……?


「零さんが、私を霧様と同じ学校に通わせてくれるとおっしゃってくれて……」

「え!?」

「仕事にも慣れてきたみたいだからって、だから学生の本分を……」

「……駄目だよ」

「え……霧様?」


零さんは、さっき住み込みで働く事以外に学校に行ったらどうかっておっしゃってくれた。


日中は、他のメイドさんもいるからすることはほとんどないし、私はまだ高校生。

それを零さんは尊重してくれて、そんな事を言ってくれた。


霧様も了承してくれると思っていたのに……。


「露が学校へ行くなんて、僕は許さないよ」

「あの、どうして、ですか……?」

「どうしてもだよ。
だから露、その話は断ってくれないかな?」


一方的な断り方。


怒っているようにも見えるその言い方にすごく不安を感じたけど……。


やだ……。

霧様、そんなの納得できないです……っ。



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